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  • インタビュー

2023.07.21

【生米パン開発者:リト史織さん】 「生米パン専門店」がついにオープン! 生の米から作るパンで米の新しい食べ方と魅力を発信 vol.1

2023年5月18日、兵庫県芦屋に生米(なまごめ)パン専門店「KOME PANTRY(コメ パントリー)」がオープンしました。メディアなどでも多数取り上げられ、話題急上昇中の「“生米”パン」。米粉ではなく生の米を使うこだわりや作り方、お店に込めた思いを、プロデュースしたリト史織さんにお聞きしました。

生米パンのおいしさを発信する実店舗が待望のオープン

―「KOME PANTRY」はリトさんが初めて監修した生米パン専門店だとか。どんなお店ですか?
米粉ではなく、生のお米から作る「生米パン」を販売する専門店です。関西の企業さんと素材を厳選しながら、約1年半に渡って試作、準備を進めて、ようやくオープンすることができました。

―商品のラインナップは?
5種類の生米パンがメインです。シンプルな「生米パン」をはじめ、玄米100%の「玄米パン」、生地に黒豆を練り込んだ「黒豆パン」、プレーン生米パンの生地に黒豆甘煮をたっぷり入れた「ごろっと黒豆パン」、プレーンの生米パンの生地に日本酒で漬けたオーガニックのドライフルーツをたっぷり入れた「日本酒フルーツ」です。ほかに、生米を使った「メープルマフィン」、酒粕がチーズのような風味の甘くない「酒粕マフィン」もそろえています。

―ナチュラルなインテリアも素敵ですね。
自然の素材にこだわったパンなので、インテリアも木や石など自然のものを選びました。あくまでも主役は「生米パン」と、買いに来てくださるお客さまと作り手といった「人」ですから、それをさりげなく引き立てるようなナチュラル&シンプルな雰囲気を心がけました。

フレッシュな米のおいしさを丸ごと楽しめる生米パン

―店名の由来を教えてください。
2つの思いを「KOME PANTRY」という名前に込めています。1つは「KOME-PANTRY」、つまり「米(米パン)の置き場所」です。ここから皆さまにとびきりおいしい生米パンをお届けする、ここにはおいしくて安心して食べられる生米パンがありますよ、という思いです。
もう1つは「KOMEPAN-TRY」。「米パンに挑戦する」という意味で、常においしい生米パンをみなさまに届けられるよう挑戦し続ける、生米パンを通じてみなさまに笑顔や幸せをお届けできるよう挑戦し続ける、という思いです。多くの方に愛し続けられる生米パンのお店になったらいいなと思っています。

―そもそも生米パンは、普通の米粉を使ったパンとどう違うのでしょう?
生米パンは、米粉ではなく生のお米をそのままミキサーで撹拌して作るパンです。1度粉になったお米は酸化しやすいのですが、生米パンは作るたびにミキサーにかけるので、新鮮なお米のおいしさを丸ごと感じられます。お米のやさしい甘みとふわふわもちもちの食感が長く楽しめるのも、生のお米を使っているからこそ。
どのパンも全てグルテンフリー、プラントベースで、小麦、乳製品、卵を使わないので、アレルギーをお持ちの方や、ヴィーガンの方にも食べていただけます。

酒どころ・兵庫県で栽培された酒米「山田錦」から作るパン

―お店で使う食材はかなり厳選されたそうですね。
生米パンには「山田錦」を使っています。酒米の王様とも言われている品種で、兵庫県の播磨農業高校で作られたJ A S有機農産物(および転換期中有機農産物)の酒米です。
「大切な人に、安心しておいしく食べてもらえるパンを」というコンセプトのもと、できる限りその土地のものを厳選して使わせていただいてます。

―生米パンにはどんなお米を使っているのですか?
最初に関西の企業さんにお話をいただいた時、「酒米を使いたい」ということでした。酒米は日本酒を作るためだけに栽培されているお米で、パンを作るのは初めてだったのですが、パンがとてもきれいに膨らみ味もよく、「これはいい生米パンが作れそう!」と思いました。兵庫県は日本酒の酒蔵が多いところですが、その当時日本酒の需要が減っていたこともあり、地元の貴重なお米のパンに使わせてもらいたいという思いにも共感しました。

地元食材を多く使った、ここにしかない生米パン

―お店のマフィンに使うのも同じお米ですか?
マフィンには、兵庫県加西市で栽培された山田錦の中米を使っています。規格外で正規品のお米に比べて米粒が小さいですが、同じようにおいしく作ることができます。

―その他の素材はどんなものを?
油は、埼玉県「米澤製油」の「国産100%なたね油」を使っています。非遺伝子組み換えの国産の菜種から、湯洗い洗浄法で精製されている油です。酵母は、白神こだま酵母。世界自然遺産の白神山地から生まれた酵母で、自然な甘さが生米パンのおいしさを引き立ててくれます。

―兵庫県の素材も多く使っているそうですね。
塩は淡路島産の「おのころ雫塩」、黒豆は丹波黒、オーガニックのドライフルーツを漬ける日本酒や酒粕は、老舗の酒蔵「香住鶴」のものを使っています。豆乳も、国産大豆を使う県内の豆腐屋さんのものなんですよ。

―地元の食材を使った、地域に根付いたパンですね!
ご縁をいただき芦屋でお店をさせていただくことができたので、地域の方々に受け入れていただけるよう、スタッフ一同頑張っていこうと思っています。



【profile】リト史織

生米パン開発者、ヴィーガン料理家。「Shiori’s Vegan Pantry」主宰。大学卒業後、現エコール辻東京 辻日本料理マスターカレッジで学ぶ。その後、飲食店、洋菓子店勤務を経て、マクロビオティック、グルテンフリー、ローフード、米粉について学ぶ中で、生の米からパンを作る「生米パン」を開発。現在は、書籍出版、メディア出演、商品開発、監修などをしながら、自宅サロンで「生米パン」や「生米スイーツ」も各種講座を開講し、毎回予約が取れないほど人気に。著書に『はじめての生米パン』(光文社)、最新刊に「ラクうま 生米パン 無限レシピ 家のお米でできる! フライパン・トースターでできる!』(講談社)など。

公式HP https://vegan-pantry.com/
    https://linktr.ee/shioris_vegan_pantry
公式Instagram @shioris_vegan_pantry

KOME PANTRY

住所 兵庫県芦屋市東山町5-10
電話 0797-35-0081
営業時間 11:00~16:00
定休日 日・月曜、祝日
URL https://komepantry.kandensv-newproject.com/